Health & Safety(安全衛生)

安全衛生管理の基本的なアプローチ

国内外の建設現場では、複数の協力会社が関与し、異なる業種の作業者が同時に輻輳して作業することもあることから、プロジェクト全体で労働安全衛生を確実に管理する仕組みが必要と考えて、次の3点を中心に安全衛生の管理に取り組んでいます。

労働安全衛生の管理におけるポイント

  • 状況の可視化
    事故報告については、一般の傷害を含む事故に加えて、ニアミスを含むすべての事故は本社まで報告され、継続的にモニタリングしています。これにより、現場の安全状況を把握しやすくしています。
  • HSSE監査と改善活動
    プロジェクトごとに各協力会社への監査を実施するとともに、コーポレートレベルでも各プロジェクトに対して監査を行っています。特に後者については、HSSE委員会にて報告・審議されたのち、必要な是正措置を確実に講じることで、PDCAサイクルを回しています。
  • 重大事故への対応と組織的改善
    重大事故が発生した場合は、Root Cause Analysis(根本原因分析)を行い、組織的な課題まで洗い出します。その結果はHSSE委員会等でも共有され、会社全体の“Lessons Learned”として共有し、再発防止と改善につなげています。

安全成績

当社グループでは、HSSE基本理念に基づき取り組みを継続的に推進してきた結果、総合エンジニアリング事業における国内外の建設現場での休業災害度数率(LTIR)をはじめとする安全成績は、各々の業界平均と比較して、それぞれ優れた結果を維持しております。

  1. ※1休業災害度数率:100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数で、休業災害の頻度を表す。
  2. ※2LTIR:Lost Time Incident Rate(休業災害度数率)とは、米国労働安全衛生局(OSHA)の労働災害の発生状況を測る指標で、20万時間当たりの休業災害の頻度を表す。
  3. ※3IOGP:International Association of Oil & Gas Producers(国際石油・天然ガス生産者協会)は、石油・ガス業界の建設企業の安全成績を集計している。

HSSE KPI について

海外の建設現場ではHSSEに関するパフォーマンスを測定する指標(KPI: Key Performance Indicator)として、先行指標であるLeading Indicatorを4つ、遅行指標であるLagging Indicatorを6つ定め、HSSE目標の達成に向かってプロセスが適切に実行されているかどうかを継続モニタリングしています。

安全衛生・技術知識の向上

安全衛生管理のなかでも、知識と技術の向上は建設現場の運営において非常に重要な要素であり、すべての監督者や作業者が、安全管理に必要な知識や技術を一様に習得していることは、現場の安全を確保するうえで不可欠です。

安全のための9つのルール

当社グループは、労働安全において厳守すべき基本ルールとして、国際石油・天然ガス生産者協会(International Association of Oil & Gas Producers: IOGP)が策定した「安全のための9つのルール」を採用しました。
IOGPに加盟している顧客と共通の安全ルールを採用することで、ルール遵守に関するスムーズな連携が可能となりました。このルールを遵守することにより、HSSE基本理念である「すべての人が、健康で安心して働き、家族のもとへ無事帰る」ことを実現しています。

  1. 1.安全管理規定を順守する
  2. 2.槽内作業前には作業許可を取り必要な対策を講じる
  3. 3.安全運転ルールに従う
  4. 4.作業開始前の電気・圧力の絶縁・遮断の確認
  5. 5.可燃物および着火源の管理
  6. 6.ラインオブファイヤーに入らない
  7. 7.揚重作業計画と作業エリアの管理
  8. 8.有効な許可証のもと作業する
  9. 9.高所作業時の墜落防止対策
  • 危険導線上の位置取り

安全衛生環境教育

基本的なHSSEの知識と技能を身につけることで、安全文化の醸成と共通化を図り、建設現場におけるHSSEの重要性を全従業員が理解できる環境づくりを整えています。
初めて現場に赴任する従業員は、3日間の安全衛生環境(HSSE)教育を受講する機会を設け、ここでは、赴任する建設現場の概要の説明と、遵守すべき「安全のための9つのルール」の徹底も行われます。

新入社員へのHSSE教育
海外現場でのHSSE教育
揚重作業のための吊具の点検
足場を使った高所作業の基礎トレーニング

また建設現場における危機感、臨場感を体験するために、仮想現実(VR: Virtual Reality)を利用した安全教育システムを開発しました。VR安全教育システムは、視覚や聴覚の他、振動や風圧、疑似墜落といった多種類の感覚を同時に体感することで、高い学習効果を実現しています。また、安全な作業環境や危険源を見つけ出すプログラムが備わっており、この最先端のシステムは顧客からも高い評価を得ています。さらに昨今はAI技術を通じてより実務に近い状況を柔軟に再現し、現場での対応力を養う教育内容も提供しています。

VR安全教育設備
足場のVR安全教育
海外建設現場におけるVRを用いた研修風景

安全衛生文化の醸成

2023年度のHSSEカンファレンス

当社グループでは、労働安全衛生のパフォーマンス向上に向けて、安全衛生意識の向上と安全衛生知識・技術の向上という2つの側面から取り組んでいます。安全衛生意識の向上においては、日揮ホールディングス社長主催のHSSEカンファレンスなど各種イベントの開催を通じた、国内外の各事業所・建設現場一丸での意識の高揚を図り、また知識・技術の向上においては、新入社員や初めて現場赴任する従業員への安全衛生環境教育、国内外の建設現場に対する定期的なHSSE監査などを実施しています。

海外現場のSafety Dayイベント
海外グループ会社のSafety Dayイベント

Respect & Care”プログラムの推進

海外EPC事業会社の日揮グローバルでは、すべての社員に対して「Respect & Careプログラム」の教育を完了しており、マネジメント層を中心に、各プロジェクトやグループ会社のスタッフにも展開しています。本プログラムは、プロジェクト関係者個々人の重要性や、周囲からの尊重の必要性が建設現場で意識されるよう、日揮グローバルや各EPCプロジェクトのマネジメントも参加する様々な取り組みを企画・実行しており、安全文化の定着と継続的な改善につながっています。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
なお本プログラムは、日揮グローバルがボードメンバーとして参画する国際団体「Building Responsibly(BR)」の「10 Principles of WorkersWelfare(作業者の福祉に関する10原則)」に沿った内容であり、建設現場における職場環境の向上を目指す重要な取り組みです。

HSSE大会によるリーダシップの強化

マネジメントを筆頭とした全員参加による安全への宣誓

安全文化の醸成におけるリーダーシップの強化は、当社グループ全体の重点目標であり、毎年開催される当社グループ全体のHSSE大会「Safety Day」プログラムの基本命題としても取り組まれています。

現場安全の取り組み

海外の建設現場では、工事のピーク時にひとつの現場で数万人の多国籍労働者が作業を行います。安全作業に日々従事し、家族のもとへ無事に帰ってもらうために、安全朝礼では当社の現場マネジメントが積極的に安全メッセージを発信することで安全への価値観を深化させる努力を行っています。

加えて、工事安全を分かりやすく視覚的に捉えてもらうために、現場ごとに創意工夫しながらデモンストレーションなどを行い、全員に理解してもらうことで、現場安全文化の醸成に努めています。

国内の建設現場では、未熟練労働者の労働災害防止のため、CPA(ケアプログラムアプローチ)を導入し、建設現場全体で未熟練労働者をケアする活動を行っています。入構時に個人毎のケアプログラムを作成し、定期的に教育・訓練を行い、指名された熟練労働者とペアを組み、熟練労働者がコーチをすることにより、経験不足を補完し、安全意識の向上を図っています。

安全朝礼
安全デモンストレーション
バディによる現場コーチ
バディはそれぞれ、トレイニー/トレイナーヘルメットシールをヘルメットに貼り相互の意識付けを行う

顧客からの表彰

当社グループは、国内外の建設現場における優れたHSSEの取組みが顧客から高く評価され、これまでに数々の表彰を受けています。

2020 Certificate of Award PLBC (17MM LTI Free) - PT Pertamina
2019 100M LTI Free Manhours - PETRONAS
2019 Best Project HSE Awards - KNPC
2016 15 million work hours LTI free & 58 % reduction in recordables - HSE CEO FORUM