プロジェクトストーリー
お客様の思いを形にする
ベトナム ハタファー
固形製剤工場プロジェクト
日揮グループは長期経営ビジョン「2040年ビジョン」の中で、”Enhancing planetary health”をパーパスとして定義し、ビジネス領域を多角化して「Planetary Healthの向上に貢献する企業グループ」への変革に挑戦している。「ヘルスケア・ライフサイエンス」はその事業領域の1つであり、国内をはじめ、東南アジアを中心とした海外においても、医薬品や医療機器、食品分野の事業拡大に注力している。
あすか製薬株式会社(以下あすか製薬)は、2021年1月にベトナムの大手製薬会社Ha Tay Pharmaceutical Joint Stock Company (以下、ハタファー社)に出資し、新設の固形製剤工場を計画していた。本固形製剤工場はハタファー社にとって初めての医薬品の国際基準であるPIC/S GMP対応の設備であり、あすか製薬にとっては初めてのベトナムでの工場建設と、両社にとって重要なプロジェクトであった。
当社グループの医薬品分野における豊富な経験を活かした、品質と生産性の向上に繋がるレイアウト、製造設備と建築の両観点からコストミニマムとなる機器配置など、技術的な根拠に基づいた提案が高く評価され、2021年5月、日揮グローバルと 子会社であるJGC ベトナムが共同で本プロジェクトを受注した。
日揮グローバル本社より選任した日本人はプロジェクトマネージャー1名のみであり、JGC ベトナムのエンジニアが主体となってプロジェクトを遂行。日本の品質と安全基準を達成するために、日揮グローバルはJGCベトナムのプロジェクトメンバーと現地協力会社に対して、設計に忠実な施工、互いを思いやるRespect & Careの文化の醸成、そして徹底したスケジュール管理に力を注いだ。
プロジェクト遂行中はEPC(設計・調達・建設)役務だけではなく、PIC/S GMPに関する講座を、顧客であるハタファー社向けにベトナム語で実施し、工場で働く顧客従業員のスキルアップと工場の安定運営にも貢献した。またその講座を通して、PIC/S GMPの知見を共有しただけではなく、顧客のプロジェクト担当者との距離を縮めることにも繋がり、より確実かつ円滑にプロジェクトを進める1つの要因となった。
日本とベトナムの異なる文化の中、日揮グローバルとJGCベトナムが一体となり、顧客担当者との連携も図りながら設計から施工に至るまでプロジェクトをシームレスに遂行し、コロナ禍での遂行という難しさもあったが、2023年6月に無事故無災害で納期通りに完工を迎えた。
当社グループは総合エンジニアリング会社としての提案力とプロジェクト遂行力、そしてグローバル企業としてJGCベトナムをはじめとした現地法人を活用し、お客様のよき伴走者として、今後も海外の医薬品プロジェクトに取り組んでいく。