ステークホルダーとのエンゲージメント
基本的な考え方
日揮グループでは、事業の持続的な成長と企業価値の向上には、様々なステークホルダーとの対話と協働が不可欠であると認識し、積極的なエンゲージメント活動を展開しています。世界各地で事業を展開するなかで、以下に記したような活動を通してステークホルダーとの相互信頼関係を構築し、当社グループの経営方針や事業をご理解いただける環境づくりに取り組んでいます。
株主・投資家とのエンゲージメント
株主・投資家との対話の実施状況
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資するため、CFO(Chief Financial Officer)、IR部門および総務部門を中心に株主・投資家との建設的な対話を行い、参加者からいただいたご質問・ご意見については取締役会や経営陣、および社内の関連部門にフィードバックを行っています。
なお、対話においては、関連部門で事前に公表可能な情報を確認する等、インサイダー情報の管理を徹底しております。
また、面談にご出席された株主・投資家側対応者の担当分野は以下の通りです。
●アナリスト ●ファンドマネージャー ●インベストメント・スチュワードシップ部門
●責任投資運用部門 ●ESG推進部門等
統合報告書の充実
当社の統合報告書は、投資家の皆さまに長期的なスタンスに立った投資判断を行っていただくうえでの重要な開示資料として、毎年、記載内容の充実を図っています。2025年の統合報告書では、事前に株主・投資家の皆さまから様々なご意見をいただき、企画内容に反映しました。
また今回は中期経営計画の最終年度に当たることや、足元の業績が二期連続の赤字となる中で、中期経営計画の進捗や、当社のプロジェクト遂行体制に株式市場の関心が集まっていました。
それらを受けて、「2023年度および2024年度は厳しい業績結果であったものの、当社グループが掲げる長期経営ビジョン「2040年ビジョン」の方向性は変わらず、EPC遂行体制の早急な立て直しを図りながら、持続的な成長に向けた取り組みを着実に推進している」ことをメインメッセージとして製作しました。特に、損失を出した海外EPC遂行体制の立て直しや当社グループの価値創造の道筋については詳細な説明を行いました。
加えて、非財務情報の開示の拡充にも引き続き注力し、当社グループの取り組みをより具体的にイメージしていただくための情報の他、取り組みの背景にある考え方や進捗状況、課題などを明確化した構成としました。
ホームぺージの拡充
株主・投資家に対する情報開示の拡充を図るため、ホームぺージにおける開示情報の拡充に取り組みました。機能材製造事業に関する取り組み紹介やサステナビリティに関する取り組み紹介ページを新たに制作・改訂することで株主・投資家を中心とした幅広いステークホルダーの方々にご理解いただけるよう努めています。
事業説明会の実施
当社グループの新規事業への理解を深めていただくため、セルサイドアナリストを対象に、当社が参画する国産SAF製造事業における、コスモ石油株式会社堺製油所内に新設されたSAF製造プラントの見学会を実施しました。
社員とのエンゲージメント
トップマネジメントとの対話、社内報(年4回)など
当社グループでは、トップマネジメントと社員の座談会を定期的に開催しており、本音の対話やビジョンの共有を図っています。その一環として「日揮協議会※1」を設置しており、会社の発展と社員の生活向上は経営の両輪であり不可分であるという認識のもと、トップマネジメントと社員双方がより良い日揮グループを自分事として考え、懇談協議する場を提供しています。1972年の創設以来、各社のトップマネジメントと社員が対話する座談会は100回以上開催されています。また持株会社体制移行後は4社横断の座談会※2を加えました。
また、トップマネジメントなどによる建設現場訪問も継続的に実施しており、毎年事業会社のトップマネジメントや役員などが安全文化の醸成を目的に国内外の各建設現場を訪問し、駐在社員との対話に努めています。
その他、社内報や全社掲示板など様々な媒体を活用し、社員に会社の経営方針や経営課題を浸透させる取り組みを進め、グループ社員の帰属意識の向上につながるコミュニケーション活動を実施しています。
- ※1現在の対象は日揮ホールディングス、日揮コーポレートソリューションズ、日揮グローバル、日揮の4社
- ※2当社のトップマネジメントと4社の社員全員を対象とする座談会
顧客とのエンゲージメント
資源国人財向け研修プログラム
当社グループは、資源国との関係強化を目的に、過去数十年にわたり、資源国の技術者や化学工学などを専攻する学生に対する各種研修プログラムを実施しています。プログラムを受講した多くの技術者が帰国後に自国の資源開発・産業発展に貢献しており、当該国におけるビジネスの拡大にもつながっています。
研修プログラムの内容は、派遣元各社・大学の意向や研修期間によって異なりますが、世界各国で豊富なプロジェクト遂行実績を有するエンジニアリング会社としての特長を活かし、プロジェクトの遂行管理や各種設計技術に関する実践的な講義やOJTが中心となっています。
サプライヤーとのエンゲージメント
技術支援活動
当社グループは、プラント建設国における現地調達を積極的に推進しており、高難度の機器を発注するケースでは、当社グループのエンジニアが発注先工場に赴き、サプライヤーの製造設備や設計者の技量に応じた技術指導を実施しています。こうした取り組みにより実現されるサプライヤーとの良好な関係を貴重な取引先資産と捉え、サプライヤーに対する技術支援を積極的に行っています。
日揮グループサプライヤー行動規範
当社グループは、パーパス(存在意義)である「Enhancing planetary health」の実現に向けて、サプライヤーの皆様と当社グループのサステナビリティに関する方針及び取り組みを共有するため、「日揮グループサプライヤー行動規範」[PDF:366KB]を制定しています。本行動規範は、当社グループとの取引にあたり、法令遵守、品質管理、安全衛生、人権尊重などの重要な分野において、サプライヤーの皆様に守っていただきたい行動指針を示したものです。
当社グループは、本行動規範に基づき、サプライチェーンとさらなる連携を図っていきます。
地域社会とのエンゲージメント
イラク・バスラ州における地元小学生を対象にした取り組み
海外の建設現場においては、円滑にプロジェクトを遂行するうえで地域社会との協調が不可欠であると考えています。当社グループが現在建設プロジェクトを遂行しているイラクでは、イラク戦争後の国民の学力低下が顕著であり、特にバスラ州では教育に対する投資が不足しています。また、若者の失業率も非常に高く、大学を卒業しても就職が難しい状況にあります。このような背景のもと、子どもへの教育機会の提供、若者の雇用機会の創出などの長期的な貢献を目的に、2022年より、プログラミング教育や科学実験教室、タブレットを使用したデジタル算数教育を実施しています。2024年度までにプログラミング教育には約1万7,000人、科学実験教室には約1万人、デジタル算数教育には約1万3,000人が参加しました。
地域社会・次世代人財とのエンゲージメント
神奈川県の公立中学校・高校の企業訪問の受け入れ
当社グループでは、神奈川県の公立中学校・高校の企業訪問を受け入れ、社員との懇談会や業務のVR体験などを通じて、コミュニケーションを図っています。2025年度は、「キャリアデザイン」をテーマに、社員と学生がそれぞれ大切にしている価値観の深掘り、共有を通して自身の進路を考えるワークショップや、当社考案の「バーチャルプラント体感ゲーム」を通して、実際のプラント現場の様子や事業遂行を想像していただき、当社グループの持続可能な社会実現への取り組みに関する理解促進を図りました。
小学生を対象とした化学実験講座を実施
当社グループ会社である日揮触媒化成株式会社では、同社北九州事業所において、地元の小学生を対象とする化学実験講座を毎年開催しています。地域社会との交流・貢献を通じて、機能材製造メーカーとして子どもたちが化学への興味を深める機会を提供するとともに同社の事業活動の理解促進を図りました。今後も地域社会との良好なエンゲージメントを構築していきます。
その他当社グループの社会貢献活動についてもご覧ください。