世界最高水準の省エネルギー型コンデンセート脱硫プロセス(JUSTTM Condensate)

コンデンセートはガス田で生産され、将来的にも重要となる化学品原料としてのナフサや、輸送燃料として欠かせないジェット燃料や軽油などの留分を多く含んでいます。その脱硫処理は、これまで、留分毎に複数の脱硫装置を設置して行われてきました。当社のJUSTTM Condensateプロセスは、コンデンセート全体を一つの脱硫装置で処理する一括脱硫技術です。従来よりも建設コストが約30%削減されるばかりでなく、燃料を中心とするユーティリティー消費量の削減により運転コストが約50%削減され、温室効果ガスの大幅な排出量削減を達成できる世界最高水準の画期的な省エネルギー型のコンデンセート一括脱硫プロセスとなります。

プロセスの概要

JUSTTM Condensateプロセスは、最初にコンデンセートを一括で脱硫し、その下流のエネルギー消費量削減の鍵となるAdvanced Fractionatorシステムによって、サルファーフリーとなったコンデンセートを各製品留分に効率的に分けます。既存のプロセスとJUSTTM Condensateのスキームの比較を、以下の図に示します。

(*1) JUST: JGC’s Unitized Smart Tailored

特徴

JUSTTM Condensateプロセスは、脱硫装置が一つであり、後段の蒸留システムがAdvanced Fractionatorとして一体化されます。従来の脱硫装置を複数備えたプロセスと比較して、燃料を中心とするユーティリティー消費量が削減されることにより、温室効果ガスの大幅な排出量削減に貢献できる世界最高水準の省エネルギー型コンデンセート一括脱硫プロセスとなります。

開発状況

当社は、図に示すパイロット装置を研究所に有しており、パイロット試験の結果をもとに、完備した設計マニュアルを使って、これまでに複数の商用脱硫装置を設計・建設してきました。世界のコンデンセートの中でも硫黄含有量が高い中東産コンデンセートを使って、パイロット試験を完了し、コンデンセートのサルファーフリー化に成功しました。写真の左側に示す未処理の中東産コンデンセートは、メルカプタンなどの硫黄化合物を数千ppmのオーダーで含んでおり、色彩を呈していますが、写真右側の処理済コンデンセートでは、硫黄分がナフサで石油化学品製造の原料とできる0.5wtppm以下に、軽油でEuro 5相当となる10ppmwt以下に削減されており透明色となります。