DTP®(Dominant Technology for Propylene Production)プロセス
DTP®プロセスは、天然ガス、バイオマス、廃プラスチックなどの廃棄物から合成ガスを経由して製造されるDME(Dimethyl Ether)あるいはメタノールを原料として、プロピレンを高収率で製造する技術です。また、ナフサクラッカーなどから副生された未有効利用オレフィンも原料とすることが出来ます。世界のプロピレン需要は今後も堅調な伸びが予測され、プロピレンの需給バランスは今後も逼迫することが予想されています。また原油価格の高騰からプロピレン原料の多様化が求められます。このような状況から、原料の多様化およびプロピレン単独生産プロセスが注目され、その商業化が望まれています。これらの課題を解決する新規プロピレン製造技術として、当社グループは三菱ケミカル株式会社と共同でDTP®プロセスを開発しており、2012年夏に実証試験を終了し、商業化が可能となりました。
メタノールを原料とした場合のプロセスフロー

特長
- DTP®触媒は高プロピレン選択性を有し、かつ安定した活性を保有したゼオライト系触媒です。
- DTP®反応器として、操作が容易な断熱型固定層反応器を採用します。
- 副生する炭化水素をリサイクルすることによって、高いプロピレン収率が得られます。
適用
- 産ガス国における天然ガスからのメタノールを経由したプロピレン製造
- バイオマスや廃プラスチックなどの廃棄物由来の合成ガス、再生可能エネルギー由来の電解水素とCO2の混合ガスから合成されるメタノールを原料とするプロピレン製造
- ナフサクラッカーにおける未有効利用オレフィンおよび燃料用途DMEまたはメタノールを原料としたプロピレン製造