廃プラスチック油化ケミカルリサイクル
高いリサイクル率、既存設備の最大限活用を目指して
昨今、廃プラスチックのリサイクルは世界的な課題となっており、有効な資源循環システムの確立が急務となるなか、廃プラスチックのケミカルリサイクルは、リサイクルが困難な異種素材や不純物を含むプラスチックを分解し、様々な化学物質に再生することが可能であり、リサイクル率の大幅な向上をもたらす技術として期待されています。とりわけ油化プロセス技術は、プラスチックへのリサイクル効率が高く、製油所・石油化学プラントの既存設備を最大限活用することで、初期設備投資を抑えることができる利点を有しています。
日揮グループは2021年11月より、10年間の運転実績※を有する国内大型商用装置をベースに、廃プラスチックの油化ケミカルリサイクルに関する自社ライセンスの開発に着手し、2022年のライセンス開始を目指しています。本プロセス技術では塩化ビニル(PVC)とPETの混入プラスチックの処理が可能なだけでなく、残渣を適切に排出することで安全かつ安定的な連続運転を実現します。熱分解油は製油所や化学プラントの既存設備に供給され、再製品化が可能となります。今後、本プロセス技術を用いて、顧客の事業化の検討、ライセンスサービスおよびエンジニアリングサービスの提供を通じ、資源循環バリューチェ―ンの構築を協創・支援してまいります。
- ※旧札幌プラスチックリサイクル(株)によって、2000年から10年間、年間1万5千トン規模の処理量で商用運転を実施されていた油化処理施設の知見を活用しています。