ポリエステルケミカルリサイクル

繊維to繊維を実現するケミカルリサイクル技術

昨今、温室効果ガスによる地球温暖化や、廃棄プラスチックおよび遺棄漁具などによる海洋汚染といった環境破壊が深刻化しており、世界中で対策が急がれています。日本においても2050年までにCO2を始めとする温室効果ガス排出量をゼロにする目標が掲げられるなど、持続可能な社会の実現に向けてさまざまな取り組みが始まっています。繊維産業においても衣料品の大量廃棄問題や製造工程におけるCO2排出量などの環境負荷がクローズアップされるなど、サステナビリティ課題の解決が急務となっています。

これに対し、日揮グループは、廃棄されるポリエステル繊維製品からポリエステルをケミカルリサイクルする技術と商業運転実績を保有する企業、および繊維業界に幅広いネットワークを持つ企業と連携し、当該技術のライセンス展開を目指しております。本技術を用いれば、マテリアルリサイクル※1では難しいとされていた原料中の染料や不純物などの除去だけでなく、石油由来のバージン品と同等の品質のリサイクルチップの製造を実現できます。日揮グループは、原料に合わせた処理プロセスの提案から顧客のニーズに合わせた規模のプラント設計・調達・建設までを遂行し、リサイクルの川上・川下が一体となったリサイクルシステムの構築を支援いたします。更に将来的にはDX技術を活用した、製品のライフサイクル(製造からリサイクルまで)におけるトレーサビリティ※2実現も視野に入れております。
日揮グループは、今後、繊維製品を含むあらゆるポリエステル製品(衣料品、フィルム、ボトルなど)のクローズドループ※3を実現することで、繊維製品の大量廃棄問題解決に取り組んでまいります。

  1. ※1マテリアルリサイクル:廃棄物に対し、破砕・洗浄などの処理を施し、新しい製品の原料として再利用すること。
  2. ※2トレーサビリティ:「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにするべく、原材料の調達から生産、そして消費または廃棄まで追跡可能な状態にすること。
  3. ※3クローズドループ:廃棄されていた製品や原材料などを新たな「資源」と捉えて、循環させること。
ポリエステルケミカルリサイクルシステム

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