軽油留分以下の一括脱硫プロセス- JUST® Refinery -

JUST® Refinery (JGC Unitized Smart Tailored Refinery)とは、従来の製油所に比べ、初期投資コスト30%低減、内部収益率(IRR)5%改善を可能とした、新しいコンセプトの製油所です。そのコア技術は、従来留分毎に脱硫されていた方法に対して、軽油より軽質な留分を各々の製品規格を満足するよう一括脱硫する技術です。

フロースキーム(Conventional vs JUST® Refinery)

フロースキーム(Conventional vs JUST Refinery)

従来の製油所では、各留分ごと(ナフサ、灯油、軽油)に脱硫装置を設置していましたが、JUST® Refineryではこれらを単一の反応器で一括脱硫します。

まず、原油をプレフラクショネーターでLPGから軽油までの軽質と重質油の2つの留分に分けます。次に軽質留分は、各々の製品規格を満足するように一括して脱硫されます。脱硫後は、フラクショネーターでLPG、軽質ナフサ、重質ナフサ、灯油、および軽油に精留されます。なお、天然ガスに随伴するコンデンセートを原料とする場合など、原料によっては軽油中の硫黄濃度は10ppm以下まで低減できることを確認しています。脱硫された重質ナフサは、接触改質装置で処理され、ガソリン基材を製造します。JUST® Refineryの一括脱硫装置で使用する水素はこの接触改質装置から供給されます。JUST® Refineryは重質油処理設備との組み合わせにより、さらなる付加価値の向上が期待されます。

また、ユーティリティ設備やオフサイト設備についても、設備の統合・簡素化により、製油所全体のCAPEXやOPEXの低減が可能となりました。

特長

JUST® Refineryの特長を従来法と比較して示します。

プロセス装置数 30%減
HTR主要機器数 65%減
オフサイトタンク数 55%減
初期投資額 30%減
必要エリア面積 35%減
経済性[IRR] 5%増

適用

  • 新設製油所
  • 既設製油所のキャパシティアップ、近代化
  • 原油種変更に伴う脱硫設備の新設

参考資料