知財・無形資産への取り組み

日揮グループの知財・無形資産への取り組みについてご紹介します。ご覧になりたい項目をクリックしてください。

日揮グループの知財・無形資産に関する考え方

日揮グループは、コアコンピタンスである「マネジメント力、先読み力、技術力、リスク対応力」を発揮して、事業を通じた社会課題の解決と経済価値・社会価値・環境価値の創造を実現すべく、次のような考え方に基づき知財・無形資産の創出、保護と活用およびリスクマネジメントに積極的に取り組んでいます。

  1. 1.知財・無形資産の創出
    日揮グループ内の様々なアイデアを多角的に捉えた「知の創造」と、グループ外の優れた技術を見出してパートナーと協創する「知の融合」に挑戦し、社会と顧客のニーズに対応した知財・無形資産を創出します。
  2. 2.知財・無形資産の保護
    特許、商標、意匠、ノウハウ、システム、ソフトウェア、技術ブランドなどの知財ミックスや営業秘密の適切な管理などにより、企業の持続的成長と価値向上に資する知財・無形資産を多面的に保護します。
  3. 3.知財・無形資産を活用したビジネスの推進
    蓄積した知財・無形資産を広く活用し、総合エンジニアリング事業および機能材製造事業の競争優位性の獲得と技術ライセンス事業の強化を図ります。さらに、事業戦略、技術開発戦略と知財戦略を連動させて、新しいビジネスモデルの確立と他者との協業による技術の事業化を推進します。
  4. 4.知財・無形資産に関するリスクマネジメント
    第三者の知的財産権を尊重して適切な対応を図ります。また、知財関連法令・法規を順守し、知財リスクを最小化するため、知財・無形資産のリテラシー向上に努めます。

特許ポートフォリオ

事業セグメント別の保有特許比率

日揮グループでは事業の競争力強化と持続的成長のため、重要セグメントである総合エンジニアリング事業の石油・ガス・LNG、化学、ライフサイエンス分野のほか、機能材製造事業の触媒、ファインケミカル分野などを中心に知財権の取得と維持を行っています。また、事業展開や技術トレンドに合わせて事業活動に必要となる知財権を見直し、事業の自己実施の確保とともに技術ライセンス、第三者との協創活動に有益な知財ポートフォリオの構築に取り組んでいます。

総合エンジニアリング事業のセグメント別保有特許比率


機能材製造事業のセグメント別保有特許比率

地域別の保有特許比率および特許出願比率

総合エンジニアリング事業および機能材製造事業を中心に、日本のみならず世界各国、地域で広くビジネスを展開しています。これに合わせて海外、特に事業強化地域であるアジアへの特許出願件数が増加しており、グローバルな事業展開に対応した計画的な権利化を実行しています。

日揮グループの地域別保有特許比率

注力分野の特許出願比率

日揮グループでは長期経営ビジョンとして策定した2040年ビジョンにおける注力5分野、および業務効率化の革新的技術となるDX関連の知財ポートフォリオ構築活動を始めています。エネルギートランジションを構成する低・脱炭素化のカーボンマネジメント、クリーンエネルギー、および高機能材などの領域での特許出願比率を段階的に増やしていく計画です。

日揮グループの注力分野の特許出願比率の推移

知財・無形資産活動

コア事業領域と成長事業領域のそれぞれに知財活動リソースを集中させ、2040年ビジョンに掲げるビジネス領域拡大の実現に資する知的財産権の取得を目指しています。適切なタイミングで重点分野、重点技術、重点地域における知的財産権の保護を行い、有効な活用を想定したPDCAサイクルを実践しています。

また、事業を支える知財・無形資産には日揮グループのエンジニアリング、プロジェクトマネジメント、契約リスクの対応などに関連するナレッジ・ノウハウの他、顧客リレーションといった様々な営業情報やビジネス情報などが含まれています。これら秘密情報の厳格な管理を継続して実施します。

さらに、戦略的投資とビジネスモデルの多様化を推進するための知財・無形資産活動として、他社技術動向や注目技術の把握、パートナリングに有用な特許など、各種情報の可視化を行って事業の拡大と創出につなげる「知財インテリジェンス活動」に取り組んでいく計画です。

知財・無形資産戦略の実行体制

TCO(Technology Commercialization Officer)を総責任者とした技術事業化会議の下、探索領域の技術開発と事業化を推進する体制を構築し、技術・事業化の成熟度を効果的かつ効率的に評価しています。

また、重要な技術開発テーマでは技術開発から事業化までに複数のステージを設け、ステージ移行時のゲート審査において知財に関するレビューを行い、事業戦略および技術開発戦略と連動した知財戦略の立案と実行が確実になされるようにモニタリングしています。

協創の取り組み

当社グループでは、事業領域の拡大とビジネスモデルの多様化を実現するため、新たな事業パートナーとの協業を推進しています。当社グループとパートナーの強みとなる知財・無形資産を融合することにより、既存分野・新領域分野におけるシステムインテグレーションやデジタライゼーション、そして新たな事業の創出に注力しています。

また、ケミカルリサイクルやクリーンエネルギーなどのサステナビリティに関わる技術開発には、実証試験による性能や運転確認といった中長期的な取り組みが不可欠であり、こうした中長期的な社会課題への取り組みでは、国の研究開発プロジェクトなどにも積極的に参画し、産学官連携によるソリューションの提案など、大規模な技術開発テーマの社会実装に向けて取り組んでいます。

外部パートナーとの協創事例であるEUP(Ebara Ube Process)は、荏原環境プラント株式会社と宇部興産株式会社が開発した世界で唯一の長期商業運転実績を有する技術であり、再実施許諾権を当社グループが保有し、オフィシャルライセンサー・コントラクターとして顧客にライセンスを供与します。合わせて本技術の製造設備を建設するEPCビジネスを展開することを目指しています。
EUPは廃プラスチックを酸素と蒸気による部分酸化によりガス化し、アンモニアやオレフィンなどの化学品合成に利用可能な合成ガスを生産するプロセスであり、世界的課題となっているプラスチックリサイクルの推進に貢献します。

イラスト制作:株式会社知財図鑑
「資源循環技術」~多様なソリューションで廃プラ・廃食用油を資源循環~
参照:妄想プロジェクト | 知財図鑑 (chizaizukan.com)

このように、当社グループは、オープンイノベーションによる外部からの技術獲得を積極的に行い、ライセンスインによるビジネス創出と事業拡大に今後も挑戦します。
さらに、日揮株式会社がグローバル・ブレイン株式会社と共同で設立したCVCファンド「JGC MIRAI Innovation Fund」では、革新的技術やビジネスモデルを有する国内外スタートアップ企業に投資を行い、高度化する社会課題の解決に幅広く取り組んでいます。

知財・無形資産に関する教育

技術の事業化やビジネスモデルの展開には継続的にイノベーションを創出することが不可欠です。イノベーション活動の主体である当社グループの従業員をイノベーティブなエンジニア集団に導く各種施策の一つとして、豊富な社内教育プログラムを整備しています。
従業員一人ひとりが知財・無形資産の重要性を認識し、自らの業務に知財視点を取り入れてビジネスが展開できるように、知財・無形資産に関する教育「JGC IP Academy」にも力を入れています。初級者、実務者、マネジメント向けのレベルに対象者を分けたプログラムで構成され、知的財産に関するルールと生じるリスクを正しく知ることは、他者の権利を尊重するコンプライアンス(「日揮グループ行動規範」 6.2 情報管理と知的財産権の保護)の徹底に役立っています。

知財・無形資産に関するリスク対応

事業およびプロジェクトリスクの最小化活動の一つに知財・無形資産に関するリスクへの対応があります。日揮グループでは、事業部門・技術開発部門、法務部門および知的財産部門が連携し、知財リスクの特定と低減に努めています。

リスク対応 内容
特許クリアランスの実施 第三者の知的財産権を尊重して適切な対応を図り、特許紛争などを未然に防止するため、他社特許対策に注力します。
技術契約レビュー プロジェクトやライセンス、共同開発における各種技術契約では、顧客・ライセンサー・ライセンシーまたはビジネスパートナーとの良好な関係を維持し、適正なビジネスリレーションを構築することが重要です。そのために技術契約の管理を徹底します。
営業秘密などの情報管理 EPC遂行や製造技術などのノウハウ・営業秘密情報は当社グループの重要な無形資産です。情報セキュリティの観点での各種規則の整備や情報管理体制の構築、社内教育など、人的対策と物的対策の両面から営業秘密の保護を強化します。