再生可能エネルギー大量導入に貢献する電力システム技術

脱炭素化に向けて、電力系統には、再生可能エネルギーが大量導入されることが予測されています。再生可能エネルギーの導入を促進するために、当社グループは、1)分散電源(DER:Distributed Energy Resources)を束ねて、一つの電源として動作させるVirtual Power Plant (VPP)、 2) 太陽光発電の出力を円滑化するソーラーストレージなどの電力システム技術を開発しています。

1.Virtual Power Plant (VPP)

温室効果ガスの削減を目的として、太陽光発電などの再エネが急速に導入された結果、出力変動や余剰電力の発生といった、電力系統に影響を及ぼす様々な課題が顕在化しています。そのため、継続的な再生可能エネルギー導入と電力系統安定化を低コストで両立させる技術が必要とされています。

そこで当社グループは、分散電源を集めるアグリゲーターとして、需要側または系統側蓄電池、電気自動車などのDERを集めて、一つの仮想電源として動作させるVPPを開発しました。VPPは、送配電事業者からのデマンドレスポンス指示に従いDERを制御することで、二酸化炭素を排出しない調整力を提供し電力系統を安定化させます。また、DERをご提供下さるお客様には、DER容量(kW)に応じた収益をご提供いたします。

2.ソーラーストレージ(PV SMOOTHERTM

太陽光パネル(PV)から得られる直流(DC)電力は、パワーコンディショナー(PCS)により交流(AC)に変換し、系統に供給されます。近年、太陽光発電導入によって生じる系統電圧および周波数の不安定化を解決するため、出力抑制制御が行われており、太陽光発電による二酸化炭素削減量も減少せざるを得ません。

当社グループが開発したソーラーストレージ(PV SMOOTHER™)は、PVのMPPT(最大電力点追従機能)制御を行いつつ、抑制される電力をDCバスに接続した蓄電池で、蓄電して電力回収を行うことに加え、過積載(PCS出力より、PV発電量が多い)の電力も蓄電池に回収するものです。加えて、本技術にかかる電力回収ユニットは、PCSと独立して動作するため、PCSとの技術的な連携が不要となり、いかなるメーカーのPCSにも取り付け可能です。まとめると、当社グループのソーラーストレージ(PV SMOOTHER™)は、以下のような価値を提供します。

  • 過積載の電力をDC蓄電することで、総発電量の向上
  • 出力制御時の電力を蓄電することで、総発電量の向上
  • 太陽光発電出力の平滑化