2023年ニュースリリース
2023/10/11
CVCファンドを通じ、空間情報記録のデジタル化を行う スタートアップ企業「nat」へ出資
日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO 佐藤雅之)は、日揮株式会社(代表取締役 社長執行役員 山田昇司。以下、日揮)と共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「JGC MIRAI Innovation Fund」を通じ、空間情報記録のデジタル化を行うスタートアップ、nat株式会社(代表取締役 劉 栄駿。以下、nat)への出資を行いましたので、お知らせします。
1. 出資の背景と目的
建物や施設の建設および維持管理、特に既設設備の改造工事においては、入念に現地調査を行うことと、完成予想を担当者間で共有することが重要となります。日揮ホールディングスの事業会社である日揮では、2022年5月にブラウンリバース株式会社(以下、ブラウンリバース)を設立し、現場と管理部署をデータでつなぐ役割としてのデジタルツイン構築に注力してきました。
ブラウンリバースのサービス「INTEGNANCE VR」は低コスト・短納期による現場のデジタルツイン構築に強みを有しており、石油・化学プラントをはじめとした幅広い業界で納入実績があります。
INTEGNANCE VRでは、数十万、数百万㎡規模といった大規模設備を包括的に扱えることを主眼に置いており、小規模な部材や機器の内部等の3D化といったデジタルツインの精緻化は次の課題として捉えていました。同時に、誰もが汎用的なデバイスで簡単に3Dモデルを精緻化できる仕組みに対する期待の声も高まっていました。
このたびJGC MIRAI Innovation Fundが投資するnatは、iPhoneやiPadといったLiDAR※センサを搭載したモバイル端末で、住宅の部屋をミリ単位でスキャンする高精度AI測量サービス「Scanat」を提供しています。Scanatでは、端末のLiDARセンサから得た点群データをベースに、補完するデータを独自の技術により処理し、ミリ単位の精度を持つ3Dモデルを即座に自動生成します。
また、高精度な3Dモデルを活用することにより、建設や不動産分野における設計や見積といった業務にもサービスの展開ができるとしています。
※LiDAR:レーザー光を用いて対象物までの距離測定を行うもの。Light Detection And Ranging
3. 今回投資の目的
日揮グループは、CVCファンドを通じて「カーボンニュートラルの実現」、「持続可能で強靭なインフラの構築」、「人生100年時代を見据えた生活の質向上」、「産業のスマート化」を対象テーマに、安全・安心で持続可能な社会システムの構築に寄与する革新的な技術やビジネスモデルを有する国内外のスタートアップに対し投資を行っています。
本出資を通じて日揮は、当社およびグループ会社であるブラウンリバース株式会社が培ってきたデジタルツイン技術の知見・ノウハウと、natが有する空間情報記録、デジタル化技術の知見や革新的な事業アイデアを融合することで、ブラウンリバースが展開する「INTEGNANCE VR」との連携や新たな事業分野の創出を目指します。
日揮グループは今後も、安全・安心で持続可能な社会システムの構築に向けて革新的な技術やビジネスモデルを有するスタートアップへの投資を行ってまいります。
natについて:
会社名 |
nat株式会社 |
---|---|
設立 |
2019年5月 |
本社 |
東京都港区 |
代表 |
代表取締役社長 劉 栄駿 |
事業内容 |
Scanatの企画、開発、販売、運営 |
URL |
https://www.natincs.com/ |
JGC MIRAI Innovation Fundについて:
登記上の名称 |
JGC MIRAI Innovation Fund L.P. |
---|---|
設立 |
2021年4月 |
無限責任組合員 |
グローバル・ブレイン株式会社 |
運用総額 |
50億円 |
運用期間 |
10年間 |
有限責任組合員 |
日揮ホールディングス株式会社、日揮株式会社 |
投資対象 |
・日揮が構想する安全・安心で持続可能な社会システムに関連したスタートアップ ・日揮との協業が見込めるスタートアップ |
URL |
https://jgc-mif.jp/ |