2020年ニュースリリース

2020/08/12

イラクの製油所近代化プロジェクトを受注 ~イラクの復興・経済発展に貢献~

日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO:佐藤雅之)は、海外EPC事業会社である日揮グローバル株式会社(代表取締役社長執行役員:山﨑裕)が、イラク石油省傘下の国営石油精製会社向けバスラ製油所近代化プロジェクトの発注内示書を受領しましたので、お知らせします。プロジェクトの詳細は、下記の通りです。

1.契約先

南部精製公社(South Refineries Company

(イラク石油省傘下の石油精製会社)
2.建設場所

イラク共和国バスラ州

(首都バクダットから南東約550キロメートル)

3.主要装置(処理能力)

流動接触分解装置(34,500バレル/日)、減圧蒸留装置(55,000バレル/日)、軽油脱硫装置(40,000バレル/日)など
4.契約役務 設計・調達・建設及び試運転
5.契約形態 ランプサム契約
6.受注金 4,000億円
7.完成予定 2025年


イラクは、1,450億バレルの原油確認埋蔵量を有し、日量441万バレルの原油生産量を誇る世界有数の産油国です。しかし、1970年代に建設された現在操業中の2つの製油所は、戦災や老朽化により生産能力が低下しており、国内の石油製品需要を賄えず、ガソリン等の石油製品を輸入せざるを得ない状況となっています。

今回のバスラ製油所の近代化は、既存のバスラ製油所の隣接地に、流動接触分解装置、減圧蒸留装置、軽油脱硫装置などを新設するものです。これにより、1.9万バレル/日のガソリン、3.6万バレル/日の軽油が増産され、石油製品の需給ギャップを減少させることが可能になります。また、生産される石油製品は、国際環境基準を満たし、環境負荷の低減にも貢献することが期待されます。本プロジェクトは、同国の石油精製部門の近代化・高度化に向けた橋頭保となる案件と位置付けられます。

本案件の資金は、国際協力機構(JICA)の円借款融資により調達され、2003年のイラク戦争後の日本による復興支援としては最大規模となります。

本プロジェクトの遂行に際し、当社グループは延べ1,000人以上のイラク人に対する技能研修の実施と、約7,000人のイラク人技能労働者の雇用を予定しております。さらに、プロジェクト完工後には操業要員として2,000人以上の雇用創出効果が見込まれており、イラクにおける失業問題の解決にも貢献するものと考えております。

当社グループは、イラクにおいて、2013年に発電所再建プロジェクトを完工しており、本案件は2件目のプロジェクトになります。当社グループは、本プロジェクトを成功裏に完工することで、イラクの復興と経済発展に寄与する所存です。