2024年ニュースリリース
2024/11/13
CVCファンドを通じ、あらゆる種類のリチウムイオン電池(LIB)から重要鉱物を効率的にリサイクルするtozero GmbHへ出資
日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO 佐藤 雅之)は、日揮株式会社(代表取締役社長執行役員 山口 康春 以下、日揮)と共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「JGC MIRAI Innovation Fund」を通じ、あらゆる種類のリチウムイオン電池(以下「LIB」)から重要鉱物を効率的にリサイクルするスタートアップ、tozero GmbH(本社:ドイツ・ミュンヘン、以下「tozero」)へ出資したことをお知らせします。
リチウムイオン電池(LIB)とは、電池材料にリチウム金属酸化物を用い、リチウムイオンが正極と負極の間を移動することで充放電を行う方式の二次電池です。二次電池として非常にエネルギー密度が高く軽量化が可能なため用途が広く、電気自動車(EV)や定置用電池、スマートフォンやパソコン、ドローンなどに使用されています。
現在、LIBの原料となるレアメタルを取り巻く環境は、様々な要因からグローバルサプライチェーンが不安定化しやすくなっているほか、将来的にはEVの普及に伴い、LIB向けの供給不足が予測されています。また、欧州における電池規則※1や環境負荷の低減を求める社会要請などからLIBリサイクルの必要性が年々高まっています。
こうした課題を背景に、tozeroは廃材となっているあらゆる種類のLIBを粉状にした「ブラックマス」を原料にして、リチウムとその他鉱物を分離し、かつリチウムを効率よく回収する画期的なプロセスを開発しました。さらに、tozeroは欧州において回収・リサイクルした材料をサプライチェーンに再導入することで、新たなLIBの製造を支援し、循環型経済を促進することを目指しています。
本出資を通じて日揮は、tozeroの画期的な技術と当社グループが非鉄金属製錬分野※2で培ったエンジニアリング技術を活用し、国内外でのLIBリサイクルに寄与できる事業の検討を行います。また、LIBリサイクルシステムの確立に向けた取り組みを推進するべく、関係各社との連携体制を構築し、当該事業を具現化することによって、カーボンニュートラルおよび循環型社会の実現に貢献していきます。
日揮グループは、CVCファンドを通じて「カーボンニュートラルの実現」、「持続可能で強靭なインフラの構築」、「人生100年時代を見据えた生活の質向上」、「産業のスマート化」を対象テーマに、安全・安心で持続可能な社会システムの構築に寄与する革新的な技術やビジネスモデルを有する国内外のスタートアップに対し投資を行っています。
日揮グループは今後も、安全・安心で持続可能な社会システムの構築に向けて革新的な技術やビジネスモデルを有するスタートアップへの投資を行ってまいります。
※1 経済産業省資料(P26)
※2 非鉄製錬 | 産業・都市インフラ | 日揮ホールディングス株式会社 (jgc.com)
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写真左からtozero創業者のSarah Fleischer(CEO), Dr. Ksenija Milicevic Neumann(CTO) |
tozero GmbHについて:
会社名 | tozero GmbH |
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設立 |
2022年 |
本社 | ドイツ連邦共和国 ミュンヘン |
創業者 | Sarah Fleischer(CEO) Dr. Ksenija Milicevic Neumann(CTO) |
事業内容 | リチウムイオン電池リサイクル |
URL | https://www.tozero.solutions/ |
JGC MIRAI Innovation Fundについて:
登記上の名称 | JGC MIRAI Innovation Fund L.P.(日揮みらい投資事業有限責任組合) |
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設立 |
2021年4月 |
無限責任組合員 |
グローバル・ブレイン株式会社 |
運用総額 | 50億円 |
運用期間 | 10年間 |
有限責任組合員 | 日揮ホールディングス株式会社、日揮株式会社 |
投資対象 |
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URL |