2022年ニュースリリース

2022/03/18

NEDO採択事業「CO2大量排出源からのCO2分離・回収、集約利用に関する技術調査事業」について

日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO 佐藤雅之)は、日揮グローバル株式会社(代表取締役社長執行役員 ファルハン・マジブ)と日本エヌ・ユー・エス株式会社(代表取締役社長 近本一彦)が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「CCUS研究開発・実証関連事業/CCUS技術に関連する調査/CO2大量排出源からのCO2分離・回収、集約利用に関する技術調査事業」に関して共同提案し、昨年8月に採択された「コンビナートモデル及びカーボンネガティブモデルにおけるCO2分離・回収、集約利用に関する技術調査」(以下「本調査」)について、下記の通りお知らせします。


2019
6月に閣議決定された「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」では、CCSCCUS/カーボンリサイクルについて、2023年までに商用化規模のCCSCCUS技術を確立することを目指すとともに、排出源と利用・貯留地までの最適なCO2輸送を実現する取り組みを実施するとしています。

本調査では、削減不可避なCO2大量排出源と考えられる製鉄所やセメント工場、製油所・石油化学工場、天然ガス火力発電所などが一つの地域に集中していることから、大量のCO2を効率良く回収・集約でき、またコンビナート内の各プラント間をつなぐ設備やユーティリテイ設備、出荷設備等の融通も検討出来るコンビナートモデル、および、近年、全国的に増加しているバイオマス発電所を含めたカーボンネガティブ(CO2削減)モデルを対象として、CO2分離・回収装置の適用と回収したCO2を利用可能とする技術について、20218月~20232月にかけて分離・回収技術の選定、およびプロセス設計検討等を通じた課題および事業性の調査を実施し、実用化シナリオを作成していく予定となっています。

環境負荷低減に寄与するCCSCCUSは、脱炭素社会に向けた移行過程における温暖化対策の切り札として期待されています。当社グループは、長期経営ビジョン「2040年ビジョン」および2021年度からの5か年を対象とする中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2025」において、エネルギートランジションをコア事業領域として位置づけ、その中でCCSCCUS分野の事業拡大を掲げています。

当社グループはアルジェリア、オーストラリアでCCS設備の建設実績を有しており、日本国内では北海道苫小牧市の国内初の大規模CCS実証試験事業においてCCS設備を建設し、さらに広島県の大崎クールジェンプロジェクトにおけるCO2の分離・回収設備の建設実績を有しています。これらの経験を活かし、幅広いソリューションの提供を通じてCCSCCUSの普及に貢献してまいります。

  • カーボンネガティブ:
    バイオマス発電所は、燃料となるバイオマス(植物)が成育時に吸収したCO2と、発電時に発生するCO2が相殺されることで、CO2の排出が実質的にゼロ(カーボンニュートラル)となる。カーボンニュートラルであるバイオマス発電所から排出されたCO2をCCS・CCU/カーボンリサイクルに活用することでCO2の削減(カーボンネガティブ)が可能となる。