2021年ニュースリリース

2021/10/05

INTEGNANCE(日揮スマート保全ブランド)から3Dビューア「INTEGNANCE VR」プロトタイプ版を提供開始

-デジタルツインによる設備保全の高度化へ-

日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO 佐藤 雅之)は、日揮株式会社(代表取締役社長執行役員 山田 昇司、以下「日揮」)が、国内製油所や石油化学・化学プラント向けスマート保全サービスブランドINTEGNANCEの一環として3Dビューア「INTEGNANCE VR」(以下、「本ビューア」)のプロトタイプ版を11月1日より提供開始することとなりましたので、お知らせいたします。

本ビューアは、既存プラント全体を撮影した360°パノラマ写真上にアノテーション(関連データをタグ登録)することで、各機器や部材の相関関係を可視化するいわば"プラントのストリートビュー1"を実現します。プラント内のあらゆる情報に視覚的に迅速にアクセスできるため、広大な敷地を保全する実務者の運用・保守業務の大幅な効率化を可能とします。

「INTEGNANCE VR」画面イメージ

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本ビューアでは、360°パノラマ写真と3次元形状モデル(3Dスキャンから生成する立体モデル)を組み合わせた3次元情報でプラントの各設備を認識できるため、事務所のパソコン上で現況測量が可能となります。また、セマンティックセグメンテーション(画像領域を分割するAI技術)によりプラントに数十万点あると言われる配管の自動抽出を可能とし、これまでデジタルツイン2導入の大きな障壁となっていた「空間データの構築作業」を簡略化できることが大きな特徴です。

本年11月1日から、これまで実証実験にご協力頂いた顧客に対して、本ビューアのプロトタイプ版を無償で提供し、そのフィードバックをもとにしたシステムの改善を経て、2022年度中の本格商用化を計画しています。本ビューア導入に必要な事前セットアップ作業(既存プラントの360°パノラマ写真撮影から実空間のレーザー計測等)も一気通貫で日揮がご支援致します。

本ビューアの開発には、DXコンサルティングから開発まで手掛けるイノベーションファームArent社が強みとする最先端の3次元テクノロジーを活用しており、3D CADAR3MR4といった複数の空間表現手法をVR5と重畳させることで、物理世界とデジタル空間の融合を実現します。こうした最先端技術を活用することにより、日揮は直感的で圧倒的に利便性の高いデジタルツインを基とした新しい保全スタイルの確立を目指しています。将来的には、「INTEGNANCE VR」を起点にプラント事業所内の設備管理部門、製造部門、保安部門といったそれぞれの部門の業務を横断する仕組みを構築することで、複数の事業所を跨いだ全体最適を可能とする保全プラットフォームを実現し、国内外におけるプラントメンテナンスの課題解決に貢献してまいります。

なお、本年1117日から東京ビックサイトにて開催される「INCHEM Tokyo 2021 34回プラントショー」の当社グループ展示ブースでは、INTEGNANCE VR上でLCA(ライフサイクルアセスメント)を表示する概念のプレゼンテーション発表を予定しております。業務効率化に加えて、事業継続計画の観点から重要性が増している「環境配慮型経営」に対しても支援していく所存です。

  • 1 ストリートビューは、Google LLCの登録商標です。
  • 2 物理空間に存在する場所、ヒト、モノ、コトをデジタルデータ化し、サイバー空間上でデジタルツイン(現実世界の双子のデジタルデータ)を構築し、分析、予測を可能にする技術
  • 3 Augmented Reality:拡張現実
  • 4 Mixed reality:複合現実
  • 5 Virtual Reality:仮想現実

  • (参考1)INTEGNANCE(インテグナンス)のリーフレット

    https://www.jgc.com/jp/business/epc/operation-maintanance/pdf/operation-maintanance.pdf

  • (参考2)Arent(アレント)社について

    https://arent3d.com/

  • (参考3)INCHEM東京について

    https://www.jma.or.jp/INCHEM/