Sustainability Initiatives

脱炭素社会への移行を支えるCCS技術 脱炭素社会への移行を支えるCCS技術

化石エネルギーの環境負荷を低減 化石エネルギーの環境負荷を低減

世界的に加速する脱炭素化の流れと、新興国を中心に増大するエネルギー需要。この二つの課題を解決する技術として、近年、 CO2を地中に圧入・貯留するCCSや、貯留したCO2を有効利用するCCUSに対する期待が高まっています。豊富な実績と幅広い技術を有する日揮グループは、CCSやCCUSの推進を通じて化石エネルギーの環境負荷低減を実現します。

増え続けるエネルギー需要に応える

世界的な脱炭素化の流れをうけて、再生可能エネルギーや水素などの普及に向けた動きが加速しています。一方で、脱炭素社会に向けた移行過程において、エネルギー需要が増え続けるなかでも人類が現在の生活を維持していくためには、CO2の排出抑制など環境負荷低減を最大限図りながら引き続き既存の化石エネルギーを利用していく必要があります。

温暖化対策の切り札

CCS模式図

CCSとはCarbon dioxide Capture and Storageの略であり、CO2の回収、貯留を意味しています。化石燃料を精製する過程や燃焼させることによって発生するCO2を大気中に放出する前に回収し、地中に圧入して、長期間にわたり安定的に貯留する技術です。化石燃料の生産や使用時に発生するCO2に対して活適用することで、環境負荷の低減を実現することができます。温暖化対策の切り札として、近年高い注目が集まっています。

CCSのリーディングコントラクター

天然ガス精製プラント(アルジェリア)
LNGプラント(オーストラリア)
CCS実証設備(北海道苫小牧市)

日揮グループは、2004年にアルジェリアの天然ガス精製プラント向けに初めてCCS設備を完工させて以降、オーストラリアのLNGプラント向けに世界最大級のCCS設備を建設した実績を有し、日本でも、北海道苫小牧市における国内初の大規模CCS実証試験事業の設備建設を担うなど、CCS分野のリーディングコントラクターとしての地位を確立しています。

高効率なCO2分離回収技術の開発

DDR型ゼオライト膜(日本ガイシ(株)提供)

CCS設備の建設のみならず、CO2分離技術に係る積極的な技術開発を推進しています。日本ガイシ(株)と共同で、DDR型ゼオライト膜を用いた独自のCO2分離回収技術を開発し、現在、商業プラントへの適用に向けて実証試験を行っています。既存の膜分離法と比較して優れた分離性能を持ち、高圧、高濃度のCO2環境下で高い耐久性を誇ることから、 CO2 -EOR(石油増進回収)への活用を目指しています。また、CCSや CO2 -EOR向けに日揮グループがBASF社と共同開発した、優れたCO2吸収性能を持つ高圧再生型CO2回収プロセスHiPACT®の営業にも取り組んでおり、既に海外のCCS設備向けにライセンス供与した実績を有しています。

CO2を資源化し、有効利用

CO2の分離に留まらず、分離したCO2を有効的に利用する技術の開発にも取り組んでいます。現在、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)からの委託事業として、廃コンクリートなどの廃棄物や海水・廃かん水*からカルシウムやマグネシウムを抽出し、火力発電所などから排出されるCO2と反応させ、炭酸塩を生成する技術の開発に取り組んでいます。CO2削減および廃棄物の有効利用という二つの社会課題に対するソリューションの提供を目指しています。

  • *海水から淡水を分離する過程で、海水が2倍近く濃縮されて排出される排水。塩分濃度が高い
CCS模式図
天然ガス精製プラント(アルジェリア)
LNGプラント(オーストラリア)
CCS実証設備(北海道苫小牧市)
DDR型ゼオライト膜(日本ガイシ(株)提供)