2018年ニュースリリース

2018/04/27

中国COOEC社との戦略的協業に合意

―増加するモジュール工法適用プロジェクトに対応―

日揮株式会社(JGC CORPORATION)(代表取締役会長CEO 佐藤雅之、横浜本社 横浜市西区みなとみらい2-3-1)は、中国海洋石油工程股份有限公司(Offshore Oil Engineering Co., Ltd.、以下COOEC社)と、モジュール工法を適用するプロジェクトの遂行に関わる協業に合意し、本年4月17日に5か年の「Strategic Co-operation Agreement 」(以下、本Agreement)を締結しましたのでお知らせします。

今後、両社は、モジュール工法を適用する石油・ガス・化学プラント、並びにFLNGやFPSOなどの浮体式生産・貯蔵・積出設備プロジェクトの新規受注に向け、協業してまいります。

1. モジュール工法とは

プラントを複数の機能単位に分割し、それらを最終建設地とは別の第三国にて製作し、大型船による運搬を経て、最終建設地で1つのプラントに組み上げる工法です。最終建設地における工事量を最小化することが可能であり、厳しい自然条件や工事コストが高い地域におけるプラント建設プロジェクト実現の切り札となります。

また、深海域の石油ガス資源開発に適用される浮体式生産・貯蔵・積出設備についても、船上設備の各機能単位をモジュールとして製作し、最終的に船体上で各モジュールを連結する工法が一般的に採用されています。

2. 両社の実績

当社は、豪ゴーゴンLNGプロジェクトをはじめ、遂行中の豪イクシスLNGプロジェクトや露ヤマルLNGプロジェクトにおいてモジュール工法を全面的に取り入れるなど、大規模プラント建設プロジェクトへのモジュール工法の適用に関し、世界屈指の知見と実績を有します。また、浮体式生産・貯蔵・積出設備についても、特に技術的難易度が高いとされるFLNG分野で世界トップクラスの実績を有します。

一方、COOEC社は、中国国内に複数の大型モジュールヤードを有し、当社が遂行する大型LNGプロジェクト向けに納期通りに高品質のモジュールを製作するなど、モジュール製作に関わる豊富な実績と高い品質・納期管理能力が世界的に高く評価されています。

3. 協業の狙い

自然環境が厳しい地域や労働者の確保が困難な地域などの建設工事が困難なプロジェクト、並びに浮体式生産・貯蔵・積出設備など、モジュール工法の適用が要件となるプロジェクトは増加傾向にあります。

また、シェール革命以降、多くの大型LNGプラントや石油化学プラントの建設が計画される北米では、高い労働者コストがプロジェクト遂行上の制約となっていますが、建設地における工事量を最小化できるモジュール工法の適用は、有効な対応策となります。

今後、当社は、本Agreementに基づくCOOEC社との協業などを通じ、確実かつ競争力のあるモジュール製作を実現するプロジェクト遂行体制を整備し、増加傾向にあるモジュール工法適用プロジェクトに積極的に対応していく所存です。

<参考>

  • COOEC:Offshore Oil Engineering Co., Ltd.
    中国3大石油会社の一角を成す中国海洋石油総公司(CNOOC)傘下の海洋エンジニアリング会社。中国国内に複数の大型モジュール製作工場を有する。
    本社:中国天津市
    グループ従業員:8,000名
  • FLNG:Floating LNG
    浮体式液化天然ガス生産・貯蔵・積出設備
  • FPSO:Floating Production, Storage and Offloading Facility
    浮体式(石油ガス)生産・貯蔵・積出設備