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人事メッセージ対談
「世界の課題を技術で解決するエンジニアリング企業」
である日揮グループも、
その潮流には乗って前進していかなければならない。
人事戦略を一手に担う専務執行役員Chief Human Resource Officer(CHRO)の花田と、
その戦略を現場レベルで実現する人財部
部長の森田の対談から、
これからの日揮に求められる人物の姿を、
解き明かしていこう。

花田 琢也
日揮ホールディングス株式会社 専務執行役員
CHRO(Chief Human Resourse Officer)

森田 謙二
日揮コーポレートソリューションズ株式会社
人財部 部長

SESSION 01
2030年にピントを合わせた人財戦略
花田
私たちは2040年ビジョンに向けた長期的な経営戦略を掲げていますが、その実現のために、2030年の段階でどのような人財が必要かを見据えています。特に、環境や技術の急速な変化に対応できる人財の質的充実を図ることが必要です。エンジニアリング業界でも、デジタライゼーションの進展により業務の効率化や自動化が進み、従来のやり方とは仕事のやり方が全く違ってきます。
森田
私たちの人事戦略でも、デジタル化に対応する人財育成を重要視しています。特に、エンジニアが時代の変化に合わせた新しいスキルを習得し、成長できる環境を提供するために、ビジネススキル研究に加えて技術士やPE取得支援、各種のIT研修、プロジェクトシミュレーションなど育成施策に取り組んでいます。
花田
人財戦略は具体的には、「人財グランドデザイン2030」という形でまとめられています。この人財戦略の出発点になるのが人財ポートフォリオです。現時点の人財をマッピングし、2030年時点で中期経営計画に基づいたビジネス展開を実現するためにどのような人財がどれだけ必要か明確にしています。つまり経営戦略と接続して、採用や育成戦略が形成されているのです。今後、私たちが目指すのは、従来のエンジニアリング分野だけでなく、新しいビジネス領域でも活躍できる、多面的なスキルを持つ人財の育成です。
森田
これまでは時々のニーズに対応したリアクティブな人事施策が中心でしたが、今は未来を見据えたプロアクティブなアプローチが求められます。人事の施策が効果を発揮するまでには時間的なラグが発生します。変化が起こってから対応していたのでは遅いのです。時代の先を見据えて行動することが必要です。
花田
私たちの採用や育成の戦略では、ただ単に今必要な技術力を高めるだけでなく、変化を洞察して柔軟に対応できる思考力や胆力をもってやりきる行動力を備えた人財が求められます。データ分析やAIを駆使した業務改善は言わずもがなです。

SESSION 02
多面的・横断的な人財が輝く
花田
これからのエンジニアリングの世界では、従来の専門知識だけでなく、多様なスキルを持つ「バーサタイリスト」が求められる時代です。エンジニアリングの一部がコモディティ化していく中で、複数の分野の専門性とそれらを組み合わせることができる柔軟性を持つことが、これからの課題解決能力にもつながるのです。
森田
チーム全体で成果を上げるために、私たちが強みとしてきたプロジェクトマネジメントのスキルも求められます。特に、新しい事業領域に、従来のEPC(設計・調達・建設)経験を活かしていける人財が、今後のビジネスの成長に寄与していくでしょう。そうした人財を育てることが、今後の課題ですね。
花田
デジタライゼーションが進めば、繰り返しの詳細設計を担ってきたエンジニアは不要となり、AIによる自動設計が当たり前になります。その時になって、ある一分野の専門性しか持っていないエンジニアは不要になってしまうのです。そうした時代はすぐ目の前に来ているのです。
森田
デジタル技術を活用しながら、プロジェクトマネジメントや複数の専門分野を横断するスキルを磨くことで、多能化された新しいエンジニア集団が育成されるのです。チーム全体として成果を上げる協働能力が付加価値として高い価値を持つことになります。今後は、より多能化した人財の育成が必要になってくるでしょう。
花田
私たちは、このような変化に対応できる多能化された人財を育てることで、企業全体の競争力を強化し、ビジネスに戦略的に貢献できる集団を目指しています。日揮はプラントつくっている会社と見られがちですが、実は「人」をつくっている会社と言えるかもしれません。もちろん、エンジニアだけでなく、全体の戦略にも貢献できる人財が必要です。

SESSION 03
成長を促進する文化と仕組み
森田
キャリア採用の皆さんに伝えたいのは、まず自分の専門分野に自信を持っていただきたいということです。その上で、周辺分野に好奇心を持ち、挑戦する意欲を持つことが非常に大切です。私たちの仕事は、多様な分野の知識を融合させて初めて1つのプロジェクトが完結することが多く、どんなに優秀な人でも一人で成し遂げることはできません。周辺分野の知識を得ることがチームとしてのバフォーマンスに繋がります。チームを成功に導く力が求められるのです。
花田
チームの一員としての役割を発揮してもらいたいです。私たちは、フラットなコミュニケーション文化を大切にしており、意見を自由闊達に交換できる企業風土があります。ですから、これまでの知識や経験を生かしつつ、新しいチームにも溶け込んでほしいですね。
森田
キャリア採用の方々に求めるのは単なる技術力ではありません。日揮の文化やプロジェクト遂行の哲学を理解してもらいたいと思います。私たちはプロセスを重視し、チーム全体で成果を追求する姿勢を大切にしています。その中で、個々のスキルが存分に活かされることが重要です。
花田
私たちは、成長意欲の高い方々を歓迎しています。キャリア採用の方々には、これまでの知識と経験を活かしながらも、新しいモノを吸収し続ける姿勢が求められます。特に、これまで世界中で大型のEPCプロジェクトを遂行してきた日揮のプロジェクトマネジメントの技術と文化に触れることで、化学反応を起こしてさらなる成長ができることでしょう。結果として自分でも思ってもいなかったキャリアアップの機会も広がっていきます。
森田
キャリア入社の方々が早期に活躍できるよう、充実した育成プランやオンボーディングプログラムを用意しています。新たなチャレンジを支援しつつ、日揮の文化を深く理解してもらうことで、すぐに活躍できる環境を整えています。
