高線量樹脂の湿式分解プロセス

湿式分解プロセス

湿式分解プロセスは、水溶液中で有機物を水と炭酸ガスに分解することで、放射性物質を含む高線量のイオン交換樹脂(高線量樹脂)を無機化および減容化するものです。触媒(Fe、Cuなど)の存在下で過酸化水素を供給し、常圧、100℃で高線量樹脂を分解します。

パイロット試験装置
パイロット試験装置

特長

  • 高線量樹脂を減容化、無機化することができます。
  • マイルドな運転条件(常圧、100℃)
  • 設備構成がシンプルでありメンテナンスが容易です。
  • 高温処理方式に比較して排ガス系設備がコンパクトです。
  • 放射性物質の気相への移行がほとんどありません。
  • 処理後の分解液は配管移送が可能な性状です。

適用

湿式分解プロセスは、原子力施設で発生する以下の有機物の分解処理に適しています。

  • 高線量樹脂(粒状樹脂、粉状樹脂)
  • フィルタースラッジ
  • キレート剤

実績

  • 国内原子力発電所での実廃棄物の分解実証試験
  • 米国電力向けキレート剤含有廃液処理設備